文書をアップロードする方法

近代的な職場で働くメリットの1つは、紙ベースの書類に依存する必要がないことです。以前は、契約書などの書類の審査・署名が必要な場合には、物理的な原本を相手に送付する必要がありました。運がよければ、その相手が同じオフィス内にいるか、数時間で配達可能な地域にいたでしょう。しかし、相手が遠隔地や海外にいるケースでは、書類が届くまでに数日~数週間かかることもありました。

今は、文書を相手に送る必要がある場合には、クラウドプラットフォームにアップロードするだけで済みます。受信者は即座に文書を確認できます。編集や署名も可能です。送信者は、文書を印刷せずに変更内容や署名を閲覧できます。

書類や動画のファイル、PDF、JPEGなど、多くのコンテンツを扱う場合には、クラウドへのアップロードが不可欠です。この記事では、ファイルのアップロード方法、アップロード可能なファイルの種類、それらの重要性について解説します。
 

文書ファイルのアップロードとは?

この記事を読まれる方の多くは、これまでの人生でかなりの量の文書その他のコンテンツをダウンロードした経験をお持ちでしょう。Google PlayやiTunesなどのデジタルストアからMP3や音楽を購入したことがあるなら、ファイルをダウンロードしたことになります。WebサイトからPDFを保存したことがあるなら、ファイルをダウンロードしたことになります。

ダウンロードとは、コンピュータが別のコンピュータからデータを受け取ることを意味します。ダウンロードしたファイルは、コンピュータやUSBドライブなどのリムーバブルデバイスに保存されます。

アップロードはダウンロードの逆方向の操作です。コンピュータからクラウド上の特定の場所(アップロード先)にファイルを送信します。InstagramやFacebookに写真や動画を投稿するケースでは、それらのWebサイトにファイルをアップロードすることになります。アップロードのプロセスはすなわち、ファイルがパソコンから出発し、別のデバイス、Webサイト、メールなど、別の場所に到達することを意味します。

アップロードは必ずしもデバイスからファイルを削除するわけではありません。PDFや他のファイル形式をクラウドベースのプラットフォームにアップロードした場合に、元のファイルは通常ではデバイスに残ります。元のファイルの正確なコピーが作成され、その新しいファイルがアップロード先に保存されます。デバイスにアップロードしたファイルを他者がダウンロードした場合も同様で、そのファイルは当該デバイスから削除されません。代わりに、ファイルの別のバージョンが作成され、ダウンロードしたユーザーのコンピュータに保存されます。したがって、バージョン管理の問題を回避するには、全員が同じバージョンで作業できるよう、クラウド内に閉じたワークフローを共有するのが最善の策となります。

アップロードの方法は、ファイルの数、サイズ、使用するプラットフォームによって異なります。アップロードの方法の例を以下に示します。

  • ファイルブラウザ
  • メール
  • ファイル転送プロトコル(FTP)
  • ドラッグアンドドロップ機能
アップロードの主な方法には、ファイルブラウザ、メール、FTP、ドラッグアンドドロップなどがある

 

紙媒体の文書をアップロードする方法

既にデジタル形式で存在する文書をアップロードするのは比較的簡単です。多くの場合に、目的のWebサイトやプログラムで「アップロード」オプションを選択し、表示されるブラウザからファイルを選ぶだけでアップロードができます。

しかし、クラウドで保管したい古い紙ベースの契約書や、デジタル化して保存したいタイプ原稿などのプリントは、コンピュータからコンピュータにアップロードする前に、紙媒体をデジタル化する必要があります。

紙媒体の文書をデジタル化する理由の例を以下に示します。

  • 古い文書をデジタル化してクラウドに保存することで、原本の損傷・損失に備えてバックアップを保持できる。
  • 古い文書をデジタル化することで、共有が容易になる。
  • 原本が非常に古い場合には、多くの人の手に触れることにより損傷や劣化のリスクが高まる。
  • 物理的なコピーは紛失のおそれがある。

デジタル版を作成することで、紙媒体の原本を保管すると同時に、文書内の情報へのデジタルなアクセスが可能になります。また、デジタル化してクラウドにアップロードすることで、どこからでも文書にアクセスできるようになります。例えば、会社の古い写真や過去のマーケティング資料に同僚がアクセスする必要があるとき、現地の従業員が作成した古い契約書を本社の法務部がレビューするときに、共有が容易になります。デジタル化した文書をクラウドにアップロードすることで、時、場所、デバイスを問わず、関係者全員が文書にアクセスできるようになります。

文書をスキャンしてコンピュータや他の場所にアップロードする方法には複数の選択肢があります。まずは物理的な文書のコピーをアップロードする方法から説明します。

スマホのカメラには、レンズをテキスト文書に向けると自動的に認識する機能を持つものがある

 

スマホやタブレットのカメラを使用してアップロード

スマートフォンやタブレットでは、カメラで文書の画像を撮影してデジタル化するための複数のオプションを利用できます。文書のデジタル化は、旅行中に写真を撮影するのと同じくらい簡単です。

例えば、スマートフォンのカメラを起動して、スキャンしたい文書の最初のページにカメラを向けます。スマートフォンのカメラには、カメラを向けるだけでテキストベースの文書を自動認識し、スキャナモードに切り替わる機能を持つものがあります。写真を撮影すると、カメラが文書をスキャンし、テキストを判読しやすい状態にします。その後、アプリに組み込まれたツールを使用して、スキャンした文書を編集します。

スマートフォンのカメラがテキストを自動的に認識せず、スキャンができない場合、または、複数のページをスキャンする必要がある場合は、Google DriveやOneDriveなどのアプリを利用すると便利です。iOSのメモアプリにもスキャン機能があります。

文書を画像ファイルとしてスキャンするメリットの1つは、原本の損傷などのリスクがなく、編集が容易になる点です。原本がかなり損傷しているケースでも、画像編集ソフトを使用してスキャンや写真の品質を向上させることができます。オリジナルの修復に時間や費用をかける必要はありません。スマートフォンのカメラで画像をスキャンする場合には、実際のページを機械に挿入する必要がなく、物理的な損傷のリスクが軽減します。

デバイスで文書をスキャンすることの最大のメリットは、デジタル化された文書を、同じデバイスから直接アップロードできる点にあります。

スキャン機能付きのプリンタでは、別途スキャナを用意する必要はない

 

文書をスキャンしてアップロード

モバイルデバイスで文書をスキャンしたり写真撮影したりするのが不安な場合や、大量の文書の各ページを手動で撮影するのが面倒な場合のオプションとして、デスクトップやノートパソコン、外部ストレージに接続したスキャナを使用する方法があります。業務で文書をスキャンする必要があり、会社からモバイルデバイスの使用が許可されていない場合には、スキャナを使用するのが最良の選択肢かもしれません。会社は、守秘性の高い文書を個人用のデバイスでスキャンすることを許可しない可能性があります。

スキャナを使用して文書をデジタル化する方法は複数あります。プリンタにはスキャン機能付きのものがあります。そうでないプリンタでは、別のデバイスが必要になります。

スキャナには複数の種類があり、その1つがフラットベッド型スキャナです。フラットベッド型スキャナでは、文書をガラス面の上に裏向き(印刷面を下)に置き、スキャナの蓋を閉じます。スキャンボタンを押すと、センサーがガラス面の下を往復し、テキストを読み取ります。スキャナがコンピュータに接続されていてモニター画面がある場合には、センサーが通過する際に画像やテキストがモニターに表示されます。フラットベッド型スキャナを使用する場合には、スキャン時に、文書の各ページを手動で1枚ずつ移動させる必要があります。

もう1つのタイプがシートフィード型スキャナです。通常はフラットベッド型スキャナより小型で、両端に開口部があります。スキャンする書類の束をこの開口部の上に置き、スキャンボタンを押すと、用紙がスキャナ本体を1枚ずつ通過し、反対側の開口部から排出されます。

文書をスキャンした後に、デジタル化されたファイルがデバイスに保存される仕組みは、一定の条件によって異なります。スキャナがケーブルで直接コンピュータに接続されている場合には、スキャンした文書を含むファイルフォルダがデバイス上に作成されるケースが多く、フォルダをクリックするだけで文書にアクセスできます。

スキャナには、Wi-Fiで近くのデバイスに接続するタイプや、USBフラッシュドライブを接続してファイルを保存するタイプがあります。スキャン完了後にドライブを取り外し、別のデバイスに接続して新しいファイルをアップロードします。

アップロード可能なファイルの形式:PDF、.docxまたは .doc、音声ファイル、動画ファイル、画像ファイル

 

アップロード可能なファイルの形式

文書のファイルには、テキストベースのもの、画像ベースのものなど、さまざまな形式とサイズがあります。業務上のニーズによっては、動画や音声のファイルのアップロードも必要になる場合があります。一般的な文書ファイルの形式と、アップロードのタイミングについて説明します。

 

PDF

PDFは、「Portable Document Format(ポータブル・ドキュメント・フォーマット)」の略称です。文書のやり取りと表示を容易にすることを目的としたファイル形式で、Adobe(アドビ)によって開発されました。PDF形式で保存された文書は、通常は受信者が編集や変更を行うことができません。

PDFは汎用性の高い文書形式です。PCやMac、ノートパソコンやスマートフォンなど、どのデバイスで開いても、文書のレイアウトやフォーマットは同じように表示されます。1ページ目に表示される内容は、全てのユーザーにとっての1ページ目になります。PDFは、元の文書のデザインやフォーマットをそのまま保持するのに適しており、ほとんどのデバイスで容易に閲覧・共有ができます。

PDFファイルには、テキストと画像の両方を含むことができます。PDFファイルには入力が可能な形式のものもあり、ユーザーはPDFファイルを開いて情報を追加できます。入力可能なPDFの代表的な例に、税務申告書などのフォームがあります。PDFファイルは、コンピュータから「アップロード」をクリックし、PDFファイルを選択するだけで、ほぼ全てのWebサイトやプログラムに簡単にアップロードすることができます。PDFファイルのファイル名は、通常では末尾に .pdfという拡張子が付いています。

 

.docx または .doc

拡張子 .docx または .doc が付いているファイルは、Microsoft Wordで作成された文書ファイルです。2006年以前は、.doc ファイルを扱うにはMicrosoft Wordが必要でした。しかし現在では、ほとんどのワードプロセッサで読み込むことができます。ただし、PDFとは異なり、.docx または .doc ファイルは、異なるユーザーが開くと表示が変わる場合があります。デバイスやプログラムによって、ページ割りやテキストのレイアウトが多少異なって見えることがあります。

.docx 形式は2007年に登場しました。拡張子の “x” はXML(拡張マークアップ言語)を表しています。このファイルは .doc ファイルよりもサイズが小さく、破損しにくい特長があります。画像も .docx ファイルのほうが高品質な表示になります。

.doc と .docx は、編集や変更を想定して設計されており、文書を他者と共同で編集する場合に適した選択肢となります。

 

音声ファイル

音声ファイルは、大きく分けて圧縮形式と非圧縮形式の2種類に分類できます。また、圧縮方式には、ロッシー圧縮(非可逆圧縮)とロスレス圧縮(可逆圧縮)があります。これらの分類は、ファイルサイズと音質に関係します。ロッシー圧縮音声ファイルの1つにMP3があります。MP3では、作成時に一部のデータがカットされます。しかし、音質への影響は、一般的なリスナーが気づかない程度のものです。

ロスレス圧縮音声ファイルの例としてはFLACとALACがあります。これら2つの形式は、データをカットせずにファイルを圧縮します。音質への影響がなく、ファイルのサイズは、通常ではロスレス圧縮のファイルよりもはるかに大きくなります。

非圧縮オーディオファイルは通常、ファイルサイズが大きく、最高の音質を持ちます。例として、PCM(パルスコード変調)やDSD(ダイレクトストリームデジタル)があります。使用するプラットフォームのファイルサイズ制限内であれば、ほとんどの音声ファイルをクラウドストレージにアップロードできます。特定のWebサイトやプログラムでは、一部の音声ファイルが認識されない、または、アップロードができない場合があります。例えば、ファイルサイズに制限のあるメールでは、非圧縮またはロスレス圧縮の音声ファイルをアップロードできないケースが多くなります。

 

動画ファイル

動画ファイルの圧縮にはコーデック(CODEC)が使用されます。コーデックは、データストリームや信号をエンコード/デコードするデバイスやコンピュータプログラムをさします。コーデックを使用しないと、ファイル自体が膨大なサイズになります。音声ファイルと同様に、動画ファイルの品質が高いほどファイルサイズも大きくなります。AVIファイルは通常最高レベルの品質でサイズも大きく、一般的によく利用されるMP4ファイルは、比較的小さいサイズで、他の形式よりも解像度が低いという特徴があります。

 

画像ファイル

音声ファイル同様に、画像ファイルも圧縮または非圧縮形式で保存できます。画像ファイルはベクター形式またはラスター形式のいずれかです。ラスター画像はピクセル(小さなブロックのようなもの)で構成されています。ラスター画像をリサイズすると、ピクセルが歪んで画像がぼやけることがあります。ラスター画像ファイルの例には、JPEG、PNG、GIFがあります。

ベクター画像ファイルは、比例式を使用して作成されます。ベクター画像ファイルは、ぼやけたり歪んだりすることなく容易にリサイズができます。ベクター画像ファイルには、PDF、AI、EPS などがあります。ただし、全てのPDF がベクター画像であるとは限りません。PDFの作成方法によっては、ラスター画像である場合もあります。

RAW画像ファイルは非圧縮ファイルの一例です。ラスター形式、ベクター形式のいずれでもなく、おそらく最も純粋な画像形式だといえるでしょう。通常、カメラで撮影した画像はRAW画像であり、編集プログラムにアップロードする際にラスター形式またはベクター形式ファイルに変換されます。

 

モバイルデバイスからのアップロード

スマートフォンやタブレットから、ファイル共有プラットフォームやサーバーに文書ファイルをアップロードするケースを考えてみましょう。プラットフォームがモバイルアプリやモバイル対応のWebサイトを提供していれば、すばやくアップロードできます。そのようなアプリやサイトが提供されていない場合には、メールで文書ファイルを送信してアップロードする方法がサポートされているかもしれません。

ファイルをアップロードするには、デバイス上に文書ファイルが保存されていなければなりません。文書が紙媒体の場合には、スキャンや写真撮影によるデジタル化が必要です。また、USBケーブルでデバイスを別のコンピュータに接続し、そのコンピュータからタブレットやスマートフォンに文書を転送してからアップロードすることも可能です。

ファイルがプラットフォームにアップロードされると、関係者はあらゆるデバイスからアクセスできるようになる

 

大容量の文書ファイルをアップロード

多くの画像を含むサイズの大きいPDFファイル、非圧縮の音声ファイル、高解像度の動画ファイルなど、ファイルは膨大なサイズになることがあり、インターネットサービスプロバイダが設定した容量制限を超えてしまい、FTPやメールではアップロードできないケースがあります。このような場合には、クラウドベースのファイル共有プラットフォームへのアップロードが有効な選択肢となります。ファイルがプラットフォームに保存されると、関係者はあらゆるデバイスからいつでもアクセスできるようになります。

Box のコンテンツクラウドにアップロードされたコンテンツは、関係者全員が容易にアクセス可能

 

ファイルをBoxにアップロード

Box のインテリジェントコンテンツ管理(ICM)プラットフォームにアップロードされたコンテンツには、関係者全員が容易にアクセスできます。ファイルをアップロードする方法は、Box アカウントの種類に応じて複数の選択肢があります。ファイルブラウザ機能は、全種類のアカウントで使用できます。EnterpriseおよびBusinessアカウントでは、FTPまたはメールを介したファイルのアップロードが可能です。

ドラッグアンドドロップ機能を利用して、デスクトップやタブレットからBoxにファイルをアップロードすることもできます。Boxのフォルダにファイルをドラッグするだけで、アップロードが完了します。この機能は、Chrome、Firefox、Safariブラウザに対応しています。

Boxにアップロードできるファイルサイズの上限は、アカウントの種類によって異なります。無料の個人向けIndividualアカウントでは、アップロード可能な各ファイルのサイズの上限は250 MBです。Starterアカウントでは最大2 GB、Enterprise Plusアカウントでは最大150 GBのファイルをアップロードできます。

 

Box へのアップロードのヒント:ファイル名は 255 文字未満、ファイル名に記号や非表示 ASCII 文字を使用しない、ブラウザを最新バージョンに保つ、ファイルサイズは制限値以内、インターネット接続は必須

 

Boxへのアップロードに役立つヒント

Boxは、直感的でユーザーフレンドリーなエクスペリエンスを提供します。Boxに文書ファイルをアップロードするときには、以下のヒントを参考にしてください。アップロードがスムーズに進みます。

  • ファイル名は255文字未満
  • ファイル名には記号や非表示ASCII文字を使用しない
  • ブラウザを最新バージョンに保つ
  • ファイルサイズはアカウントの種類による制限値以内
  • インターネットに接続されていることを確認する

クラウドを利用したコラボレーションは業務効率を高めます。Boxを利用することで、コンテンツのアップロード、共有、権限の付与、タスクの割り当てをセキュアな環境で行うことができます。Boxのインテリジェントコンテンツ管理は、動画、契約書、音声ファイル、マーケティング資料など、ビジネスの促進に欠かせないコンテンツの集約と一元管理を可能にするプラットフォームを提供します。

Boxのインテリジェントコンテンツ管理プラットフォームは、セキュアで効率的なコラボレーションを支援します。導入に関するご相談・お問い合わせをお待ちしています。

 

 

**Boxは、高度なプライバシー、セキュリティ、コンプライアンスを備えた製品とサービスの提供に尽力しています。ただし、この記事で提供される情報は、法的助言の提供を意図したものではありません。適用される法律に対するコンプライアンスを検証する際には、お客さまが自らデューデリジェンスを実施することを推奨します。

 

 

 

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